2014/10/31

オープン・ハウス・ロンドン 2014 ⑪ Conway Hall

今回のオープンハウスイベントで
最後に訪れたのはホルボーン。
オフィスが多いエリアなので
日曜午後は歩いている人がまばら。
駅からちょっと歩いただけで
通りにはほとんど人がいません。

こっちで大丈夫かな・・と思いながら歩いていたら
ひっそりと建つ目的の建物発見。

今回訪れた建物の中で一番新しい
Conway Hall、コンウェイ・ホール


Conway Hall Ethical Societyが所有
1787年創立の自由思想を支持、現在では「非宗教人権」を唱えている団体
現存する団体では世界最古だと考えられています


ホール内から外を見たところ
古い建物ばかり見てきたので、
ここを「新しい」と感じてしまった。
デザインも簡素で無駄がない感じ。
1929年完成のアールデコ・スタイル。

日本ではアール・デコってあまり人気ありませんが
私はなんか好きなんですよね。


2階へ上がる階段には
直線的なデザイン、アールデコスタイルのステンドグラス




メインホール2階からの眺め
ガラスの天井は当時からのデザイン

定期的にコンサートなどが行われているそうです。

舞台上部には
"TO THINE OWN SELF BE TRUE"と書いてあります。
古い英語の言い方ですが、
「自分自身に誠実であれ」
という意味です。
シェークスピアの「ハムレット」のシーンの一節。
この地に移転する前に拠点にしていた
ユニテリアン派のチャペルのパネルに彫られていたものを
記しました。

ベンチシート、古い!


なぜか最後列だけデザインが違う

舞台のミーティングしているスタッフたち

ホールの隣は図書室でした。

図書室


天井とベンチ付きの暖炉コーナー(珍しいです)
そして脇の床に無造作に置いてある像

古い本棚と新しい本棚が混在



こっちはアンティークと現代のイスが混在
そんなの気にしない、精神なんでしょう

ドアハンドルがアール・デコっぽい

本棚の上に造りつけの時計



その横のドア
見た目重視していないであろう
本棚側面に設置された電源


静かだし、昼寝に向いてそう
読書どころじゃないだろうな

当時の設計図(反射して見えない・・)

今年、初めてオープンハウスに行きましたが
これ、絶対ハマります!!
来年もこの時期ロンドンに来て、
さらに素敵な建物を見てみたいです。
(政府系の建物に行く場合は午前中に行くことをオススメします)

しかし、この日もたくさん歩いた~!
途中で迷子になっちゃったから余計歩いたっていうのもあるけど。
レンタサイクルにしておけばよかったかも、と多少後悔しつつ、
お気に入りのサンドイッチ・ショップで遅めのランチ。
脚をぶらぶらストレッチしながら食べる。
お疲れ様、私。

オープン・ハウス・ロンドン 2014 ⑨ Apothecaries Hall

次はトラファルガー広場近くの
ホワイトホール(現在、内閣府と国際開発省)
に行く予定だったんですが、
表の通りは長蛇の列・・・
何時に入れるかわからないので
即、諦めました。(T_T)

そして次のリストの建物へ。
地下鉄のブラック・フライヤーズ駅で降り、
駅から徒歩数分のところ、こんな路地に何かあるの?
というところにありました。


Black Friairs Laneに面する入口(1823年より使用)
LaneとはStreetより狭い通りのこと

Apothecaries Hall (アポセカリーズ・ホール)。
薬剤・薬局組合の建物。
ロンドンのシティに本拠を置く同業組合。
14世紀の手工業のギルドを前身としていて、1617年設立。
シティに現存する最古の組合です。

1666年のロンドン大火で元の建物は焼失しましたが、
その後、同じ場所に現在の建物が再建されたのは1672年。
※ロンドン大火はシティが火元で、街の3分の2を焼き尽くしました。

300年の間に2度も世界大戦を経験して、
ほぼオリジナルの状態で生き残っている建物です。
すごいですね。

置いてある家具のコンディション良好です

薬瓶用キャビネット

応接間
壁一面のキャビネットには大きな薬瓶がずらっと陳列されています


組合の紋章が入った型押機
上部のハンドルを回すとエンボスの紋章が押されます
(左の刺繍が紋章)

コートルーム
重厚感のあるオーク材の壁パネル

組合の紋章



ここにもある紋章アイテム!
紋章の刺繍が入ったファイヤースクリーン
そして、フレーム上部にも紋章の一部の彫刻

銅製のスチル、蒸留過程で使うツールのひとつ
薬などを作る時に使われました

グレートホール
アイルランド産オークの壁パネルは1671年のもの
ホールの上部の両サイドにはステンドグラス入りの丸窓
白い天井をより白く明るく照らします

エリザベスⅡ世の肖像画

人が2人くらい余裕で入れる大きさの箱
スタッズの文字がかっこいい

1771年に作られた貴重な手色彩のボタニカル・イラストレーション
植物学や薬物学を学ぶ実習生のテストや医学試験の際に試験官が使用したそうです

アンティークのステンドグラスがたくさ~ん
ほとんどの窓にステンドグラスが入っていました


過去の組合の紋章がズラリ!


巨大なコリント式の木柱と組合の紋章の彫刻
威厳があります



紋章の多いイメージが残る建物でした。

ホールの近くにあったパブで休憩しようかと思いましたが、
イベント最終日の今日は16時で終了するところが多いので
最後まで駆け抜けます!



オープン・ハウス・ロンドン 2014 ⑩ Osborne House

疲れていたせいか、
地図を見間違い、
ちょっと迷子になりました。
遠回りしましたがどうにか到着。

デボンシャー・スクエアにある
Osborne House(オズボーン・ハウス)
グレードⅡでミッド・ジョージアンの邸宅。
1692年完成。

現在はフラワーアレンジメント協会、NAFASの本部

16世紀は邸宅の庭の一部だったこのエリア、
代々貴族階級の人々が所有していましたが
最終的にデボンシャー公爵家の所有になったようです。
(スクエアの名前の由来になっています)

NAFASからもらった資料には、
このオズボーン・ハウスが完成した
1692年から現在までの借主の名前と職業が
約70人、ずらーっと並んでいました!
郵便局や土地税の記録から調べたそうで、
見てみると、金融関係、弁護士、貿易商が多いです。

1768年、隣に東インド会社の倉庫ができて
このエリアは貸家、手工業の工場などが集まったそうです。
元倉庫は現在、小洒落たショップやレストランが入っています。


素敵なフラワーアレンジメント
このイベントのために用意したんだと思います



薔薇の刺繍入りのスタンド(珍しい)

ぐるぐるデザインの階段の手すり

オズボーン・ハウスの隣の建物を見ると
窓の向こうに大きなステンドグラス窓が見えました。
エントランスにはまたもや大きな紋章が。
何かの協会かな・・

Coopers Hall、樽製造の同業組合でした
ここも古い歴史があるようです
樽の組合だけに入口のプラントカバーも樽!


最寄りのリバプール・ストリート駅近くに長蛇の列。
こちらもオープンハウスのイベントリストに載っていました。

Hyatt Andaz Hotelの中の寺院が一般公開されていたようです


駅周辺、裏路地にいい雰囲気のレストラン・カフェをたくさん見つけました!
次回の渡英時に開拓したいです♪

2014/10/28

オープン・ハウス・ロンドン 2014 ⑧ Chandos House

早めにホテルの朝食を済ませ、
昨日も行ったオックスフォード・サーカスへ。

年中人通りが絶えない交差点ですが、
朝は人も少なく、空気がきれいで爽やかです。

リージェント・ストリート(ピカデリー方面)
この通りの不動産所有者はエリザベス女王だそうです
テナント収入なんですね!

歩いていると豪華で大きな建物発見。

The Langham(1865年完成)
ロンドンで最も大きなホテルのひとつ
イギリスで初めて油圧式エレベーターを取り入れたそうです。

5つ星のランガム・ホテル。
普通にふらっとは入れないですね。
入口に大きな観光バスが横付けされていて
大勢のアジア人団体客が乗り込んでいました。
お隣の国の人たちかなぁ。。

ホテルを通り過ぎ、さらに5分で着きました
Chandos House(チャンドス・ハウス)。
昨日行ったベルギー大使館から2ブロック北に位置します。
チャンドス・ハウスは新古典主義建築の建築家、
スコットランド人のロバート・アダムによる建築。
映画「ノッティングヒルの恋人」の1シーンが撮影された
ケンウッド・ハウスも彼によるものです。


チャンドス・ハウス(1771年完成)
正面はスコットランド産の石材を使用
宣伝のために使ったのかもしれません

10時のオープンまでまだ時間があったので、入口で待つ。
と、すぐ中から職員の方が出てきて
中のレセプションでお待ちください、とのこと。
数分でレセプションも混んできたので、さらに隣の広い部屋へ通され、
ツアーが始まるまでの間に飲み物サービスがありました。
コーヒー、紅茶、ジュース等がずらりと準備してあって
なんだかホテルみたい~!
折角なので紅茶を注文。
こんなウェルカムドリンクみたいなことしてくれるなんて
嬉しい、いいですね~。(^^)

ツアーが始まる前に通された部屋
弓型の窓(ボウウィンドウ)
窓の柱は収納スペースになっています。取っ手見えますか?

窓から外を覗くと・・
モダンな中庭

重厚なドア


アダムは当時流行っていたイタリアのパラディオ様式と
自らのアイディアである古代ギリシャ・ローマ様式を融合させ
アダム様式を確立した人物。
高級住宅の設計と改装を請け負う事業で成功しました。


ロバート・アダムはインテリアデザイナー、家具デザイナーでもありました
ウェッジウッドのジャスパーウェアを彷彿とさせるデザイン

実はこんなに立派な邸宅なのに、
なかなか買い手がつかず、
有名オークションに出しても売れなかったそうです。
高かったのかもしれませんね。
完成から3年後、やっと借り手が現れ
その人が3代目チャンドス公爵でした。

19世紀にはオーストリア・ハンガリーの大使館が借りていました。
現在はロイヤル・ソサエティ・オブ・メディシン(王立医学協会)の所有です。

ツアーでは1Fと2Fのみ公開
上階は協会会員専用のホテルだそうです




素敵な空間・・
説明を聞くよりも、撮影に集中していました
おじさんがこっち見てる


会員のみですが、結婚披露宴の会場として借りることができます!
プリンセス気分になりそうですね~♪

会議や各種パーティーでも借りれるそうです。(会員のみ)